IC348付近

IC348,IC1985,LDN1470

IC348

Takayuki Yoshida

IC348付近

写真中央左寄りで明るく輝いている星は、ペルセウス座のo星です。 IC348は、o星のすぐ南に位置する小型の散開星団ですが、 IC348の周辺には淡い星雲が広がっているため、星団とこの辺りの星雲を一緒に写した写真は、 「IC348付近」とよく呼ばれています。

本作品は、F値の明るいタカハシε-180EDと、 キヤノンEOS6Dを天体撮影用に冷却改造したAstro6Dカメラを使って撮影しました。 IC348付近は大変淡いため、冷却CCDカメラで撮影されることの多い領域ですが、 デジカメでも、淡い散光星雲の色合いや、暗黒星雲のもやっとしたディテールを表現することができました。 天候の関係で十分な枚数を撮影できなかったため、画像に若干ノイズ感が残っていますが、 コンポジットの枚数を増やせば、冷却CCDカメラで撮影した画像に迫れるかもしれません。

IC348付近の星雲は、カリフォルニア星雲とプレアデス星団(すばる)のほぼ中間地点に位置しており、 その存在は、銀塩フィルム時代の頃から知られていました。 しかし、大変淡い星雲のため、IC348を構図に入れた銀塩フィルムをスキャンして画像を強調処理しても、 星雲の部分はほとんど浮かび上がらず、処理を断念したことを覚えています。 今回のIC348付近の撮影では、改めてデジカメの性能向上を実感しました。


Imaging information

撮影光学系:タカハシε-180ED

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D、フィルター換装・冷却改造カメラ)

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀、M-GENオートガイダーにて追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1250、RAWモード、HEUIB-IIフィルター

露出時間:300秒×26コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影