アンタレス付近の散光星雲

アンタレス付近の散光星雲

このさそり座の一等星、アンタレス付近の星野は、全天の中でももっともカラフルで美しい領域として知られています。 この写真の左下で明るく輝いているのがそのアンタレスで、実際は大変大きな赤色巨星です。 このアンタレスの周りには、黄色い星雲が広い範囲に広がっており、大変カラフルな色合いをしています。

アンタレスの右隣で輝く球状星団はM4星団です。視直径が20秒と大きいので、双眼鏡でも星団であることがわかります。 条件のよい星空なら、肉眼もぼんやりとその存在がわかるほどです。

天体写真ファンに人気がある、キャノンEOSKissデジタルXの改造モデルで撮影した写真です。 この星域は日本からは低く、低空の霞で条件が悪いところですが、デジタルの威力で淡い星雲の調子がよく出ました。 今回は少し色合いは抑えて、星雲の流れる様子を表現してみました。

撮影の方で少々問題がありましたが、なんとか仕上がってくれてほっとしました。 画素数1,100万のデジカメを使って3フレームもモザイクすると、星々もシャープで気持ちがよいですね。 時間があったら右側も撮影して、全景を完成させてみたいです。


Imaging information

撮影光学系: タカハシε-180ED

撮影機材: タカハシNJP赤道儀にて恒星時追尾

使用カメラ: キャノンEOSKissデジタルX(IRフィルター改造), ISO400, RAWモードにて撮影

露出時間: 10分×4枚を3フレームモザイク合成

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県野迫川村鶴姫公園,2008年撮影