さそり座

さそり座の概要

さそり座は夏を代表する星座で、S字状の綺麗なカーブが目印になります。 冬のオリオン座と並ぶ分かりやすい星座で、夏の南の星空で目立つので、天文ファンでなくても目にとまる星の並びです。 夏休みに星空の綺麗な場所に出かけたら、是非南天で輝くさそり座を探してみましょう。 ただし、さそり座は低い位置で輝いているため、全景を観察しようと思えば、南方向の開けた場所が必要です。

さそり座のα星はアンタレスで、一等星なので都会の空でもよく目立ちます。 アンタレスは赤色巨星で、表面温度が3000度前後と低いために赤っぽく見えています。 アンタレスとは「火星に対抗するもの」という意味で、何年かに一度そばにやってくる火星と赤さ比べをすることから、 こう呼ばれ始めたのでしょう。 その他にも「酒酔い星」とか「大火」とも呼ばれている星です。

さそり座には数多くの星雲や星団が輝いています。 天体写真ファンの中で特に有名なのは、アンタレス付近で輝く星雲群です。 これらの星雲は色鮮やかなので、写真ファンに人気があり、「アンタレス付近」と呼ばれています。 しかし、どの星雲も淡いので肉眼では見ることが出来ません。 写真向きの天体と言えます。

さそり座のしっぽ付近には、M6とM7という散開星団が輝いています。 視力がよい方なら肉眼でも見ることが出来る星団で、双眼鏡を使うと星がまばらに集まった様子がよくわかります。 夏の天体観望には外せない天体です。

このさそり座は、ギリシア神話の中では、オリオンを刺し殺した大サソリとして登場しています。 勇者オリオンから求愛された女神アルテミスは、オリオンの目に余る行動に困ってしまいます。 そこで女神ガイアに相談して、大サソリを刺客としてオリオンへ送り、オリオンを殺してしまいます。 この功績がたたえられ、女神ガイアによって大サソリは天に上げられ、さそり座として輝くようになったということです。 他にも女神ヘラが送った大蠍の姿という話もあります。

日本の瀬戸内海辺りでは、このさそり座は「鯛釣り星」と呼ばれていたようです。 ニュージーランドでも「マウイの釣り針」という話が語り継がれています。 夜空で非常に目立つ星の並びですから、いろいろな伝記が残っているのでしょう。

星座名 英語名 略号 星数(5.5等まで) 特徴 季節
さそり Scorpius Sco 62個 見事なS字カーブが目立つ夏を代表する星座

Imaging information

撮影レンズ: キャノンEF24mmF1.4LUSMII

使用カメラ: キャノンEOS60D

露出時間: L=8分, ISO800, F2.8, 追尾撮影