こと座

こと座の概要

こと座は、小さな星座ですが、青白く輝くα星ベガが0等星と明るく目立つので、一般的にもよく知られた星座です。 ベガは、夏の大三角形を形作る星の一つで、七夕物語に登場する織姫星としても有名です。 星座の形は、4個の星が形作る小さな平行四辺形が目安になります。

こと座の歴史は古く、プトレマイオスの48星座の中でも登場しています。 日本で琴というと、伝統楽器の「こと」をイメージしてしまいますが、 星座絵を見ると、こと座の「琴」は、西洋の竪琴であることがわかります。 この竪琴は、ギリシア神話の中では、オルフェウスの持ち物として紹介されています。

オルフェウスは、竪琴の名手でした。 一度オルフェウスが琴を弾くと、人間のみならず、動物たちもうっとり酔いしれるほどでした。 オルフェウスには、エウリディケという最愛の妻がいましたが、 エウリディケは毒蛇に噛まれて死んでしまいます。 嘆き悲しんだオルフェウスは、死の世界の王プルートに会いに行くというのが、 こと座に関するギリシア物語です。

こと座には、二つのメシエ天体が存在しています。 M57はリング星雲の愛称で良く知られた惑星状星雲です。 色合いが美しい星雲ですが、非常に小さいので天体望遠鏡が必要です。 もう一つは球状星団のM58です。 こちらも小型の球状星団で、よく見るためには天体望遠鏡が必要でしょう。 小さなこと座だけに、星雲や星団も小さいというのが面白いですね。

星座名 英語名 略号 星数(5.5等まで) 特徴 季節
こと Lyra Lyr 70個 α星のベガがとても目立つ星座。小さいながらも美しい

Imaging information

撮影レンズ: キャノンEF24-105mmF4L USMレンズ

使用カメラ: キャノンEOS5DMarkII

露出時間: L=8分×2、ISO1600、F5.6、追尾撮影