M101銀河

M101,NGC5457,The Pinwheel Galaxy

M101銀河

Takayuki Yoshida

おおぐま座のM101銀河

M101銀河は、おおぐま座に位置する天体で、真上から渦の広がりを見ることができる系外銀河です。 その美しい渦巻の様子から、回転花火銀河の愛称が付けられており、数ある春の銀河の中でも人気を集める天体です。 地球からM101銀河までの距離は、2300万光年前後と見積もられており、 見掛けの大きさは、約28′もある大きな銀河です。

M101の視等級は約8等級とされていますが、実際に見るとそれ以上に暗く感じ、 口径10センチ程度の天体望遠鏡では、面積のあるシミのようにしか見えません。 銀河の腕の部分を見ようと思えば、口径25センチ以上の天体望遠鏡が必要になります。 50センチクラスになると、淡いながらも巻き付く腕が見えるようになり、見応えが感じられます。

おおぐま座のM101銀河の写真は、口径15センチの屈折望遠鏡タカハシFS-152と、 冷却モノクロCMOSカメラを使って撮影しました。 FS-152は、1997年に製造開始された古い天体望遠鏡ですが、今となっては貴重な2枚玉フローライト屈折です。 3枚玉のTOA-130と比較すると、若干色にじみが感じられますが、 フラットナーを取り付けると、中判フォーマット最周辺部まで均質な星像を結びます。

今回の撮影は、若干光害が感じられる場所で行ないましたが、屈折望遠鏡らしいコントラストよい像を結んでくれました。 FS-152は2枚玉なので、TOA-130と比べて温度順応に時間がかからないというのもメリットだと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ FS-152、専用フラットナー使用

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀

使用カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

露出時間:L=480秒×12枚、R=G=B=各480秒×3枚、ゲイン100、オフセット50

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県篠山市、2022年撮影