IC348とNGC1333付近の分子雲

IC348,IC1985,NGC1333

IC348とNGC1333

Takayuki Yoshida

IC348とNGC1333付近の分子雲

写真の左上で明るく輝く星は、ペルセウス座のo星(オミクロン星)です。 o星のすぐ南に位置するIC348は、小型の散開星団で、星団に重なるように反射星雲IC1985が存在しています。 それらの周囲には淡い星雲も広がっています。

NGC1333は、ペルセウス座とおうし座の星座境界線付近に位置する星雲で、 写真の中央右寄りに青く小さく写っています。 NGC1333の周囲にも淡い分子雲が広がっており、写真に撮ると、 NGC1333の星雲はIC348まで繋がっているように写ります。

この星域に広がる星雲は非常に淡く、肉眼では見ることができません。 デジタルカメラで撮影した元画像を見ただけでは、星雲の存在も確認できず、 強い画像処理を施すことによって、初めて画面上に表れてきます。 この写真も撮影した複数の画像を重ね合わせた後、レベル補正コマンドで強調して仕上げています。

IC348やNGC1333のような淡い天体の撮影には明るい光学系が有利なので、 F値が2と非常に明るい中望遠レンズ、キヤノンEF200mmF2Lを使用して撮影しました。 幸い撮影した夜は透明度が良く、光害の影響で写りにくい青っぽい星雲もよく写りました。 星雲の中でも青っぽいガスの写りは、空の条件に大きく左右されますね。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ZWO AM5赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:Chroma社 LRGBフィルター使用

露出時間:L=120secX32枚、R=G=B=各180秒×6枚、総露出時間:1時間58分

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年10月撮影