!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd"> バーナードループ | 冷却CMOSカメラ | カメラレンズ | 天体写真の世界

バーナードループ

M78,Sh2-276,LDN1622

バーナードループ

Takayuki Yoshida

オリオン座のバーナードループ

バーナードループは、オリオン座に存在する巨大な散光星雲(HII領域)です。 星雲の大きさは、オリオン座全体を囲うほどもあり、有名なオリオン大星雲や馬頭星雲等もこの星雲の一部と考えられています。 バーナードループの全景を一枚に収めようと思えば、50ミリ標準レンズと35ミリフルサイズのデジタル一眼レフカメラが必要になります。 今回は、焦点距離200ミリの望遠レンズを使って、バーナードループの中でも特に明るい北西部分を撮影しました。

写真の中で、斜めに横切るように写っている赤い帯がバーナードループの一部です。 バーナードループ右側に写っている小さな星雲はM78です。青っぽい色合いと暗黒帯が美しい反射星雲です。 バーナードループを挟んだ左上で、星雲に切れ込むように写っている暗黒帯は、 LDN1622のカタログナンバーで知られる天体です。 特徴的な形をした星雲なので、この部分だけ撮影されることも多くなっています。

通常、レンズを使った撮影では、星は丸く写りますが、今回はカメラレンズの前に釣り用の道糸(2.5号)をクロスに張り、 輝星にニュートン式反射望遠鏡のような光条が出るように工夫してみました。 少し派手すぎた気もしますが、星に光条が出て、きらびやかな写真に仕上がったと思います。

※バーナードループの全景の様子は、 冷却CCDカメラで撮影したモノクロ写真「オリオン座全景」をご覧ください。


Imaging information

撮影光学系:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ、アイダス LPS-D3フィルター使用

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀にてオートガイド追尾撮影

カメラの設定:センサー温度 -10℃、ゲイン 0、オフセット 50、1×1ビニング

露出時間:180秒×24コマ (総露光時間:約72分)、レンズ絞りF2.5

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺、2021年撮影