はくちょう座のWR134付近


はくちょう座 WR134付近

はくちょう座η星の北西に位置するウォルフ・ライエ星WR134と、その周囲に広がる散光星雲を撮影しました。

WR134は地球から約6,200光年の距離にあるウォルフ・ライエ星で、大質量の恒星が進化の末期に達した珍しい天体です。 現在も猛烈な恒星風を放出しており、その風が周囲のガスを押し広げることで、美しいバブル状の星雲が形成されています。 将来は超新星爆発を起こすと考えられている天体でもあります。

写真中央に写る青いバブル状の星雲がWR134を取り囲む星雲です。 この星雲は、高温に電離した酸素(OIII)が放つ輝線によって青く輝いており、OIIIナローバンドフィルターやデュアルバンドフィルターを用いることで、 その淡い構造をコントラストよく捉えることができます。

今回はモノクロ冷却CCDカメラを使用し、HαフィルターとOIIIフィルターでそれぞれ撮影した画像を、HOOカラー(AOOカラー)で合成してカラー化しました。

対象は非常に淡いため、F3.8という明るい光学系を持つVixen VSD100 F3.8を使用し、総露光時間約8時間をかけて撮影しました。 しかし、真夏の高い気温の影響もあって、画像処理後もノイズがやや目立つ仕上がりとなっています。 より滑らかな画像を得るには、20~30時間、あるいはそれ以上の露光時間が必要になるでしょう。

なお、掲載画像は左右をトリミングしています。次回はより焦点距離の長い光学系を用い、WR134のバブル構造をさらに大きく写し、その複雑な姿をじっくりと捉えてみたいと思っています。


Imaging information

撮影鏡筒:ビクセン VSD100 F3.8

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用色分解フィルター:Chroma社 Ha、OIIIフィルター使用

露出時間:Ha=OIII=900secX16

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ10、Affinity Photo2

撮影場所:N.N.R.V.リモート観測所、2026年7月撮影